甲状腺と言われてもあまりピンと来ない方も多いかと思います。
もしかしたら、どこかで耳にしたことがある方もいるかと思いますが、甲状腺と言うのは喉の方にある臓器のことで、簡単に言うと、私たち女性の健康にたくさんの影響を与える臓器のことです。
そんな甲状腺は産後の体調不良の原因となっている場合があり、それを気づかずにそのままにしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、もしも産後の体調不良が甲状腺が原因となっている場合は、それを改善することでその症状も改善されていくかもしれません。
このように甲状腺は産後の女性に大きく関わりのある部分になります。
そこでこのページでは甲状腺の基本情報と、もしも産後に甲状腺の異常が考えられる場合は、どのような対処をしたら良いのか?など産後と甲状腺に関する様々な内容をまとめています。
甲状腺を簡単におさらい
甲状腺と言うワードを何となく聞いたことがある。と言う方でも、詳しくは知らないと言う方もいらっしゃると思います。
いきなり甲状腺のトラブルの話の後に入る前に、まずは甲状腺の基本情報について見てみましょう。
甲状腺は、首の前側の、喉仏のしたらへんに位置しています。
蝶々が羽を広げたような形をしており、気管を包み込むように位置しています。
首元にあるものなので、他の臓器に比べるととても小さく作られている臓器です。
また、実際には甲状腺は柔らかくなっているため、外から手で触ってもよくわからないと思います。
ですが甲状腺が腫れてくると手で触ることができるようで、慣れてくると首を見ただけでも腫れているのが分かってきます。
そんな甲状腺は、普段どのような働きをしているのかと言うと、食物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り血液中に分泌します。
分泌された甲状腺ホルモンには、身体の発育を促進したり、新陳代謝を盛んにする働きがあるのです。
・・・つまり、私たちが活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送っていくにはなくてはならないホルモンなんです。
そんな、甲状腺から出る甲状腺ホルモンと言うのは、多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまう原因となります。
これが産後の体調不良の原因になることもあります。
産後に訪れる甲状腺の異常の症状
男性に比べて私たち女性は、甲状腺ホルモンの影響を受けやすいと言われています。
さらに、出産を経験されたばかりの女性は、妊娠中から産後にかけてホルモンバランスの大きな変化を経験したばかりの状態です。
このようなホルモンバランスの変化に甲状腺ホルモンは影響を受けると言われています。
そのため産後は特に甲状腺ホルモンの異常が見られやすい時期なのです。
なお、甲状腺に異常があると以下のような症状が起こります。
- 甲状腺ホルモンが多い→バセドウ病
- 甲状腺ホルモンが少ない→橋本病
甲状腺ホルモンが多すぎたり、少なすぎたりすると、全身に様々な辛い症状が現れてしまいます。
原因のわからない体調不良や疲れは、これが関係している場合もあるので、特に以下のような症状が四つ以上あった場合は、甲状腺の異常を疑った方が良いかもしれません。
甲状腺ホルモンが多い時の症状
- 疲れやすさやだるさがある
- 汗が異常に多い
- 暑がりである
- 脈拍数が多く、動悸がする
- 手足がふるえる
- 甲状腺が腫れる
- 食欲が旺盛である
- イライラする
- かゆみがある
- 口が渇く
- 眠れない
- 微熱が続く
- 息切れがする
- 髪の毛が抜ける
- 排便の回数が増える
- 眼球が出てくる
甲状腺ホルモンが少ない時の症状
- 疲れやすさやだるさがある
- 汗が少ない
- 寒がりである
- 脈拍数が少ない
- むくむ(顔、全身)
- 甲状腺が腫れる
- 体重が増える
- 気力がない
- 皮膚が乾燥する
- 声がかれる
- 眠たい
- 物忘れしやすい
- 動作が鈍い
- 髪の毛が抜ける
- 便秘
- 筋力が低下する
産後の甲状腺異常の疑いがある場合は何科に行く?
先程の段落のものを参考にして、もしも自分が甲状腺の異常かな?と感じた場合は、念のため病院で検査を受ける方が良いかもしれません。
そこで病気の有無がわかるからです。
ただ、どこの病院に行けば良いか迷われると思いますので、その際はどうしたら良いのかと言うと、内分泌系の専門医に診てもらいましょう。
必ずしもそこでなければいけないのかと言われればそうでもなく、病院によっては内科や産婦人科、小児科でも検査を受けることができるところもあるようです。
また、もしも疑いがある場合は、子供やママの検診、予防接種などのついでに、甲状腺の検査だけでも受けてみたほうが良いかもしれません。
料金等は病院によって多少異なりますが、検査にかかる料金も、採血検査と初診料だけであれば、数千円の場合がほとんどです。
甲状腺の病気の予防方法
甲状腺の異常ではないか?と言う疑いがある場合は、すぐに内分泌系の病院に診てもらうことをお勧めしますが、できれば何の異常もなく子育て生活を過ごしたいですよね。
そこで甲状腺の病気を発生させないための予防策をここでご紹介していきます。
- ストレスをためないこと
- 免疫力を高めること
これが重要だと言われています。
できる予防方法をざっくり言うとこの2つなのですが、この2つの内容に共通するのが腸内環境を整えることです。
腸内といえば、食物の消化や吸収、排泄のイメージが強いかと思いますが、それだけではなく、人体の免疫力のほとんどがこの腸内環境に関連しており、腸内環境の善し悪しで免疫力が大きく変化すると言われています、
また、ストレスのコントロールと腸内環境はあまり関係ないように思いますが、ストレスを緩和し、我々の心に幸福感を与えてくれるセロトニンというホルモンもそのほとんどが腸内環境で作られると言われています。
つまり、腸内環境を整えると言う事は、免疫力を高めストレスに強い心を作るのに大きな影響与えると言うことなんです。
これは甲状腺の異常を予防するために非常に効果的であり、それ以外にも出産後の様々なトラブルを改善、予防してくれるメリットもありますし、腸内環境が整って体の巡りが良くなれば今後の産後ダイエットもしやすくなるでしょう。
腸内環境整えると言う事は非常に多くのメリットがあります。
腸内環境を整えるには
腸内環境を整えるにはできることがいくつかありますが、中でも最も優先的に行いたいと言われているのが食生活の改善です。
腸内環境を整えるためには腸内細菌である善玉菌をたくさんある状態にするのがポイントです。その善玉菌はオリゴ糖や乳酸菌、食物繊維などが豊富に摂取されることで増やすことができると言われています。そのため、オリゴ糖や乳酸菌などがたくさん取れる食べ物や、野菜や果物などから食物繊維をたくさん取ることが重要なんです。
後は、適度な運動や規則正しい生活リズムも大切です。
まとめ
産後は、出産の際の体のダメージや、ホルモンバランスが元に戻っていく過程の中で、様々な体調不良等に悩むことが多いと思いますが、それ以外にも甲状腺が関係している体調不良もあるということを忘れないでください。
また、様々な体の不調に悩み、このページで紹介したような甲状腺の異常の際に現れる症状が4つ以上が該当される場合は、産後だから仕方がない、授乳中だから仕方がないなどといわずに、きちんと病院で検査をしてもらいましょう。
自分のことをして、赤ちゃんを大切にしたい気持ちはよく分かるのですが、自分の心と体のメンテナンスをきちんと行うことも、子育てをする上ではとても大事なことです。
甲状腺の異常には、早めの対処が大切です。