出産後、急に寝汗をたくさんかくようになった・・今まではこんなことなかったのになぜ?体質が変わったのかな?それとも病気?・・と不安で悩んでいませんか?
今回は産後の育児中に体調の不安を感じる症状のひとつである『寝汗』について詳しく調べたので、病気の可能性ないのか。いつ治るのか。対策はどんな方法があるのか。といったところまでいろいろな角度からご紹介したいと思います。
産後に寝汗が急激に増えるのはなぜ?
産後に寝汗が増えるのは実は多くの方が経験する症状です。その理由は主に『妊娠中から続くホルモンバランスの変化』によるものと言われています。
というのも寝汗や多汗症という症状は汗腺自体がホルモンバランスに影響を受ける自律神経の働きによってコントロールされているためなんです。
妊娠中は、生理周期と同じ変化で起こるエストロゲン(成長ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が通常なら交互に増えて、タイミングによっては減るということを繰り返すようになっているのですが、妊娠中はその両方がほぼ同時に分泌量が増えて行くんです。
また、産後の場合はそのホルモンバランスの一時的な乱れから徐々に通常の分泌バランスやリズムに戻って行く際中にあたるために、やはりホルモンバランスの変化にさらされる時期でもあります。
また、授乳するために母乳を作ろうとする身体の仕組みがオキシトシンとプロラクチンという『母乳ホルモン』とも言える女性ホルモンの分泌が増える時期でもあります。そういった意味では『むしろ産後一年以内のママの身体はホルモンバランスの急激な変化にさらされる時期である』ということが言えるんです。
当然ながら、そんな状況にあるため自律神経も乱されて寝汗や多汗症に悩まされるケースが多くなってしまうんですね。ですがこれはあくまでも一時的なもので産後のホルモンバランスの修正時期を過ぎてしまえば治るものとも言えます。
ただし、『そうではないケースで寝汗が増える場合もあり、その場合は病気の可能性もある』ということになります。
その点については次の段落でもう少し詳しくご紹介します。また『自己診断ができる設問』も用意しましたのでもし良かったらぜひこのまま読み進めてみてください。
寝汗と病気の関係について
先ほどは産後に寝汗が急に増える原因の大部分が『ホルモンバランスの変化に当たる時期なため』とご紹介しましたが、その一方で病気の可能性もあると言いました。その場合、寝汗が増える病気は『自律神経の働きを乱す病気』が原因となります。
その病気とは・・・
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんこうしんしょう)と呼ばれる自己免疫疾患です。
産後のママがホルモンバランスの乱れもあるうちに起こる病気としては自己免疫疾患(自分の免疫機能が自分自身の細胞を攻撃する病気)が多い傾向にあります。
というのも、妊娠中にはお腹の赤ちゃんに対して異物認定をしないために免疫力を低下させる『免疫寛容(めんえきかんよう)』という状態になることと関係があると考えられているからです。
このような病気の可能性もあるため簡単にいつかは治るかも・・と我慢し続けるのも危険な場合があるので、次の段落では寝汗の量が突然増える以外にもこういった病気にかかったかどうかを自己診断できる設問を用意しました。
産後の寝汗を病気かどうかチェックする自己診断
先ほど、産後に寝汗が急に増えるのはホルモンバランスの一時的な乱れ以外にも『甲状腺機能亢進症』の可能性もあるとご紹介しましたが、不安を取り除くためにも症状からある程度の知識を持っておくことは大切です。
そこで、いくつかの設問を用意しましたので、その症状に当てはまるようなら甲状腺機能亢進症の疑いありということで、病院で正確な診察を受けることと治療を始めることが大切です。
- 動悸が激しい
- 疲れやすい
- 食欲が旺盛になった
- 食べているのに痩せる
- 血圧上昇
- 手の震え
- トイレに行く回数(下痢を伴う場合あり)が増えた
このような症状に思い当たる場合は甲状腺機能亢進症の疑いがあります。内科で診断を受けてどういった治療法や対処があるのかを相談することが大切です。
これから先、赤ちゃんを育てるためには体力勝負ですから、できる限り早めに対処することが大切です。
また、甲状腺機能亢進症はバセドウ病とも呼ばれる病気で、こちらのほうが名前としては馴染みがある方も多いかも知れません。
いずれにしてもちゃんとした治療を行って行くことが何より最優先です。