万が一電話が故障して公衆電話を使うしかなくなったら、あなたは誰かの電話番号を覚えていますか?
今の子達は黒電話なんて見たことがなかったり、触ったこともないよね。
私たちが子供のころでもおばあちゃんちなんかにあったようなくらいのイメージだと思いますが、誰かに電話するために電話番号をひとつひとつ回してって行為は今思うととても面白い行為ですよね。
今は誰かに電話しようと思ったらスマホや電話に登録されている番号を検索してボタン一つ。
なので親友の番号を覚えていないという方もおられるでしょう。
今回紹介する絵本は、そんな黒電話を想像させる工夫をされている「もしもし…プータンです」。
ブータンは幸せの国と言われているくらい国民の幸福度が高い国です。そんなブータンと黒電話・・・どんな関係が?なんてことを考えた方もいるかもしれませんね。
そうなんです、ブータンは国の名前ではなく、豚の子供の名前。
そんなブータンが自分の誕生日に誰かに電話するんだって。
もしもし…プータンですってどんな絵本?
可愛らしい豚のブータンが絵本に仕掛けられた電話のダイヤルを使って電話をかけていくよ。
「プータンいまなんじ」「プータンどこいくの?」「プータンかくれんぼ」などたくさんの連載シリーズにもなっているくらいの人気絵本です。そのすべてが口コミの評価も高く、シリーズをまとめて購入する方も多いくらいの人気作品です。
仕掛け絵本はたくさんの種類があるのですが、今回は親の方にも懐かしさを感じてもらいたいと思い、この絵本を選びました。
すでに日本でも骨董品のように扱われる黒電話。実家にあったなぁとかおばあちゃんちにあったなと懐かしさを感じることができるのと同時に、仕掛けで子供にも楽しんでもらえる素敵な絵本なんですよ。
もしもし…プータンですを読み聞かせした方の口コミ
今の子はおそらく知らないであろう懐かしいダイヤル電話の仕掛けがついた絵本です。
こぶたのプータンが誕生日のケーキに使ういちごジャムをぜんぶ舐めてしまいます。こまったママはうさぎさんに電話していちごジャムがないかを尋ねます。うさぎさんはくまさんに、くまさんはきつねさんにと次々に電話していくというストーリーです。ラストは「いちごジャムはないけれど…」と動物たちが思い思いの食材を持ってきてくれて素敵な誕生日ケーキが完成します。
絵ならさかともこ
文わだよしおみ
JULA出版
1,360円+税
ページごとに4桁の電話番号があり、読み聞かせながら子供には電話のダイヤルをまわしてもらいます。最初は見慣れないダイヤルにぽかんとしていた娘。ボタンのように数字を一生懸命押していました。スマホ感覚だとそうなりますよね。使い方を教え何ページか読み進めると困っている動物たちのコミカルなセリフに惹きこまれ夢中でダイヤルを回していました。ばね式でカチャっと音がしてダイヤルがもとの位置に戻るのがおもしろいようです。
※子供は柔軟なので最初は反応がうすくても読むうちに電話だと理解してくれますからご安心ください。
繰り返しの内容が続く絵本はわかりやすいぶん子供が途中で飽きてしまいがちですが、これはダイヤルを回す作業がアクセントになり子供を飽きさせません。
動物たちは電話をしながらのしぐさがそれぞれに違います。パンパンに食材が詰まった冷蔵庫をのぞきながらとか、洗濯物を干しながらとか日常的で子供にもイメージしやすいものです。「うさぎさんの冷蔵庫はにんじんがいっぱいだね。」「りすさんの木の実が頭の上に落ちてきた、イテッ。」とイラストをみながら娘と会話するのも楽しかったです。
1983年に第1刷が発行された古い絵本で、私自身が小さいころこの本を読んでもらい大好きでした。ぜひ娘にも読んであげたいと思いネットで探して購入しました。残念ながら実店舗に置いてあるのは見たことがありません。私の母もこの本がまだあることに驚き、とても喜んでいました。娘はばあちゃんに読んでもらうのも大好きです。
また、1ページのテキストの量が少なめなので眠る前の読み聞かせタイムにも重宝しています。(あまり長いと母が疲れるのと子供が興奮して眠らなくなるので)
数字を覚えたてのお子さんや仕掛け物が好きなお子さんでしたらとても楽しめると思います。昔の電話はこんな感じだったんだよと祖父母に読み聞かせをお願いして体験を語ってもらうのもいいかも知れません。