お子さまの成長は本当に嬉しいものですが、成長の節目節目でママは色々な「次」を考えますよね。「おむつ卒業」もその一つ。
周りの子がおむつが取れたと聞くと、「うちの子はまだかな?」「早く始めないと遅れちゃう?」と、つい焦ってしまう気持ちも分かります。でも、お子さまの成長はそれぞれ個性があります。無理に早く進めようとすると、かえってトイトレがうまくいかなくなってしまうことも。
このコラムでは、「焦らない」をキーワードに、お子さまのペースと気持ちを何よりも大切にしたトイトレの進め方をご紹介します。お子さまからのサインを優しく見守り、トイトレを親子のコミュニケーションの一つとして捉え、楽しみながらステップアップしていきましょう。
「まだかな?」と思ったら、まずは「心の準備」から
トイトレは、お子さまの体の成長だけでなく、心の準備がとても大切です。まずは、お子さまが「トイレに興味を持つ」「自分でやりたいと思う」気持ちを育むことから始めてみましょう。
- トイレは楽しい場所だよ!:
- お子さま用の補助便座や踏み台をリビングなど目につく場所に置いてみましょう。「これ、〇〇ちゃんのトイレだよ」と声をかけて、興味を持たせるきっかけを作ります。
- ママやパパがトイレに行く時、「おしっこ行ってくるね」と声をかけたり、一緒に行ったりして、トイレが日常の一部であることを伝えます。
- トイレをテーマにした絵本を読み聞かせたり、歌を歌ったりして、トイレを楽しいイメージに結びつけましょう。
- 自分の体を意識する言葉かけ:
- おむつ替えの時に、「おしっこ出たね」「うんち出たね、スッキリしたね」と、具体的な言葉でお子さまに声をかけましょう。
- おしっこやうんちをする前後に、「もじもじしてるね、おしっこかな?」「うんち出たね、お腹が軽くなったね」など、お子さまの体の感覚を言葉にして伝えてあげると、お子さま自身も自分の体の変化を意識しやすくなります。
- 自分で選ぶ楽しみを:
- もし可能であれば、お子さまに補助便座やトレーニングパンツを選ばせてあげるのも良いでしょう。「どれにする?」「これ可愛いね」など、お子さまが自分で決めることで、トイトレへの意欲が高まります。
サインを見つけたら、ゆっくりとステップアップ!
お子さまが少しでもトイレに興味を示したり、おむつ卒業のサインが見られたら、いよいよ具体的なステップに進んでみましょう。ただし、急ぐ必要は全くありません。
- 第一歩は「座る」練習から:
- 無理に排泄させようとせず、まずは補助便座や子ども用便座に座る練習から始めましょう。洋服を着たまま座っても大丈夫です。
- 「座れたね、すごいね!」と、座れたこと自体をたくさん褒めてあげてください。
- お気に入りの絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりしながら、トイレに座る時間を楽しいものにしましょう。
- 生活リズムに組み込む:
- 朝起きた時、遊びに夢中になる前、お出かけ前など、決まった時間に「トイレに行ってみようか」と声をかけてみましょう。
- 毎日同じ時間に誘うことで、お子さまも排泄のタイミングを意識しやすくなります。
- 成功したら、大げさなくらい「わぁ!出たね!すごいね!」と喜びを表現してあげましょう。ご褒美シールやカレンダーへの印付けも効果的です。
- トレーニングパンツの活用:
- 布製のトレーニングパンツは、濡れた感覚が分かりやすいので、排泄の意識を高めるのに役立ちます。日中の活動量の多い時間帯に履かせてみましょう。
- ただし、夜間は無理せず、引き続きおむつを使用するなど、お子さまの負担にならないように配慮してください。
- 失敗は当たり前!温かく見守る:
- トイトレ中、失敗はつきものです。失敗してしまったとしても、決して叱らないでください。「大丈夫だよ」「次はできるよ」と優しく声をかけ、着替えを促しましょう。
- 「なんでできないの?」といった否定的な言葉は、お子さまの意欲を削いでしまう原因になります。
- 失敗を責めるのではなく、お子さまが「自分でできた」という成功体験を積み重ねられるよう、温かく見守ることが最も大切です。
Q&A:焦らないトイトレに関するよくある疑問
- Q1:周りの子が次々おむつ卒業していくのを見て、焦ってしまいます。
- A1:周りの子と比べてしまう気持ち、本当によく分かります。でも、お子さまの成長は一人ひとり違います。歩き始める時期が違うように、おむつ卒業の時期も様々です。お子さまが「おむつが濡れて気持ち悪い」と感じたり、「トイレでやってみたい」という気持ちになるのを待ってあげることが、結果的にスムーズな卒業につながります。今は、お子さまの小さな成長を見つけて、たくさん褒めてあげましょう。
- Q2:トイトレを始めたら、一時的に逆戻りしてしまいました。
- A2:大丈夫です!一時的な逆戻りは、トイトレでは「あるある」です。環境の変化(引越し、保育園入園など)や、体調不良、赤ちゃん返りなどが原因で起こることがよくあります。焦らず、「ゆっくりで大丈夫だよ」と声をかけ、もう一度お子さまの気持ちに寄り添いながら、これまでやってきたことを根気強く続けてあげてください。おむつに戻しても全く問題ありません。
- Q3:トイレに行くのを嫌がります。どうしたらいいですか?
- A3:無理強いは絶対にやめましょう。トイレを嫌な場所にしてしまうと、ますます行かなくなってしまいます。一旦トイトレをお休みして、しばらく様子を見るのも一つの方法です。その間は、トイレに関する絵本を読んだり、楽しいおもちゃをトイレに置いてみたりして、再び興味を持たせる工夫をしてみましょう。再び始める時は、また「座るだけ」からで大丈夫です。
- Q4:パパの協力が得られません。
- A4:まずは、パパにも「おむつ卒業は、赤ちゃんの体の準備と心の準備が大切なんだよ」「焦らず、ゆっくり見守ることが一番なんだ」ということを共有してみてください。パパがトイレトレーニングに関する絵本を一緒に読んであげたり、おむつ替えの際に「おしっこ出たね」と声をかけたりするだけでも、お子さまにとっては大きな励みになります。夫婦で協力し合うことが、お子さまの安心感にもつながります。
- Q5:夜間のおむつが全く外れません。どうしたらいいですか?
- A5:夜間のおむつ卒業は、日中よりも時間がかかるのが一般的です。これは、寝ている間に排泄をコントロールする機能が、日中よりも発達が遅れるためです。寝る前の水分摂取を控えたり、寝る前に必ずトイレに行ったりする習慣づけは有効ですが、夜中に無理に起こしてトイレに行かせる必要はありません。大きくなれば自然とできるようになることが多いので、焦らず、温かく見守ってあげましょう。寝る前に防水シーツを敷いておくと安心です。
まとめ:親子の成長の証として、トイトレを楽しもう
おむつ卒業は、お子さまの成長の大きな節目であると同時に、親子の絆がより一層深まる素晴らしい機会です。 「早くおむつを卒業させなきゃ」というプレッシャーを感じるのではなく、「お子さまの成長を一緒に喜ぶチャンス」と捉えてみてください。失敗しても笑顔で受け止め、成功したら心から褒めてあげる。その繰り返しが、お子さまの自信と自立心を育みます。 お子さまのペースを何よりも尊重し、焦らず、温かい気持ちで見守ってあげてくださいね。
親子の笑顔と成長が、何よりの宝物です。どうか、このトイトレの期間が、あなたとお子さまにとって、かけがえのない楽しい思い出となりますように。応援しています。