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産後うつとPMS:症状の違いとママが笑顔で過ごすための見分け方

赤ちゃんとの出会いは、人生で最も感動的な瞬間のひとつ。しかし、同時に喜びだけではない感情に戸惑うママも少なくありません。

「なんだかイライラする」

「気分が沈んでしまう」

「涙が止まらない」…

そんな心の変化は、産後のホルモンバランスの急激な変化や、慣れない育児による睡眠不足、社会的孤立など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こることがあります。

特に、「産後うつ」と「PMS(月経前症候群)」は、どちらも気分の落ち込みやイライラといった症状が見られるため、「これってPMS?それとも産後うつ?」と混乱してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、産後のママが抱えやすい心の不調の中でも、特に混同されやすい「産後うつ」と「PMS」について、その違いを詳しく解説していきます。ご自身の状態を正しく理解し、適切なサポートを受けられるよう、一緒に確認していきましょう。

産後うつとPMS、それぞれの特徴と違いを徹底解説

一時期、テレビでCMなどもやっていたので、PMSというものは何となく知っているという方も多いのではないでしょうか。ただし、当時このことを知っていても、いざ妊娠して出産を経て、産後うつの存在を知ると、PMSと産後うつって何がどう違うんだろう・・・。違いがあるのなら、対応策も異なるのかなといった疑問が出てきても当然です。もちろん、存在自体が知らなくても今回はしっかりと解説していきますね。

 

産後うつとPMSは、どちらも女性ホルモンの変動が影響して起こる症状ですが、その発症時期や持続期間、症状の重さや日常生活への影響、そして根本的な原因において明確な違いがあります。

産後うつとは?

産後うつは、出産後に発症するうつ病の一種です。一般的に、出産後数週間から数ヶ月以内に発症することが多く、症状が重い場合は育児や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

主な症状

  • 持続的な気分の落ち込み、悲しみ、絶望感: 何に対しても喜びを感じられず、常に気分が沈んでいる状態が続きます。
  • 強い不安感、パニック発作: 漠然とした不安に襲われたり、突然息苦しくなるなどのパニック発作を起こしたりすることもあります。
  • 興味や関心の喪失: 以前は楽しめていたことに対しても興味を持てなくなり、何もする気が起きなくなります。
  • 睡眠障害: 寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたり、反対に過剰に眠ってしまったりすることもあります。
  • 食欲の変化: 食欲がなくなって体重が減少したり、逆に過食に走ってしまったりすることもあります。
  • 強い疲労感、倦怠感: 体がだるく、何もする気力が湧かない状態が続きます。
  • 集中力の低下、決断力の低下: 物事に集中できなかったり、簡単な決断もできなくなったりします。
  • 自分や赤ちゃんへの罪悪感、無価値感: 「母親失格だ」「私なんて価値がない」などと、自分を責める気持ちが強くなります。
  • 赤ちゃんへの愛情が感じられない: 「かわいいと思えない」「育児が苦痛」と感じ、罪悪感を抱くことがあります。
  • 自傷行為や自殺念慮: 症状が重い場合、自分を傷つけたい、消えてしまいたいといった気持ちになることがあります。

発症時期

出産後2週間から1ヶ月以内に発症することが多いですが、中には数ヶ月経ってから発症するケースもあります。

持続期間

治療せずに放置すると、数ヶ月から1年以上続くこともあります。適切な治療を受けることで、症状は改善に向かいます。

主な原因

産後うつの原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。

  • ホルモンバランスの急激な変化: 出産後、プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンが急激に減少することが、脳内の神経伝達物質に影響を与え、気分の落ち込みを引き起こすと考えられています。
  • 睡眠不足と疲労: 新生児の育児は24時間体制であり、慢性的な睡眠不足と疲労は、心身に大きな負担をかけます。
  • 社会的孤立とサポート不足: 慣れない育児で外出が減り、友人や社会とのつながりが希薄になることで、孤独感や孤立感を深めることがあります。また、夫や家族からのサポートが得られない場合も、ストレスが増大します。
  • 育児への不安やプレッシャー: 「良い母親にならなければ」というプレッシャーや、赤ちゃんをうまく育てられるかという不安が、精神的な負担となります。
  • 完璧主義な性格: 何事も完璧にこなそうとする性格の人は、育児の思い通りにいかない状況で、自分を責めてしまいがちです。
  • 過去の精神疾患の既往: 妊娠前や過去にうつ病や不安障害などの精神疾患の経験がある人は、産後うつを発症しやすい傾向があります。
  • 経済的な問題や夫婦関係の問題: 育児以外のストレスも、産後うつを悪化させる要因となります。

PMS(月経前症候群)とは?

PMSは、月経が始まる数日前から心身に様々な不調が現れ、月経が始まると症状が和らいだり消えたりする一連の症状を指します。産後、月経が再開するとともにPMSの症状が現れることがあります。

主な症状

  • 精神的な症状:
    • イライラ、怒りっぽくなる
    • 気分の落ち込み、憂鬱感
    • 不安感、緊張感
    • 集中力の低下
    • 涙もろくなる
  • 身体的な症状:
    • 下腹部の張りや痛み
    • 胸の張りや痛み
    • 頭痛、偏頭痛
    • むくみ(手足、顔など)
    • 便秘や下痢
    • 吐き気
    • めまい
    • 肌荒れ、ニキビ
    • 過食、甘いものが欲しくなる
    • 眠気、だるさ

発症時期

月経が始まる3~10日前くらいに症状が現れ、月経開始とともに症状が改善します。

持続期間

月経が始まる数日前から始まり、月経が始まると数日中に症状が消失します。

主な原因

PMSの正確な原因はまだ完全に解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変動が大きく関わっていると考えられています。

  • ホルモンバランスの急激な変動: 月経周期の中で卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が急激に変動することが、脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)に影響を与え、心身の不調を引き起こすと考えられています。
  • セロトニンなどの神経伝達物質の関与: ホルモン変動がセロトニンなどの神経伝達物質の分泌に影響を与え、気分の変化や食欲の変化などを引き起こすと考えられています。
  • ストレス: ストレスはPMSの症状を悪化させる要因となります。
  • 食生活や生活習慣: カフェインの過剰摂取、喫煙、不規則な生活なども、PMSの症状に影響を与える可能性があります。

産後うつとPMSの決定的な違い

ここまでそれぞれの特徴を見てきましたが、両者の決定的な違いは以下の点に集約されます。

  1. 発症時期と症状の持続期間:

    • 産後うつ: 出産後数週間〜数ヶ月以内に発症し、症状は持続的に現れます。治療なしでは症状が長期化する傾向にあります。
    • PMS: 月経が始まる数日前から症状が現れ、**月経が始まると症状が和らぐか消失します。**症状が現れるのは、月経周期の特定の期間に限られます。
  2. 症状の重さと日常生活への影響:

    • 産後うつ: 症状が重く、日常生活(特に育児)に深刻な支障をきたすことが多いです。
    • PMS: 症状の程度は人それぞれですが、日常生活に支障をきたすほど重い場合もあります(PMDD:月経前不快気分障害と呼ばれることもあります)。しかし、症状が現れる時期が限定的であるため、産後うつほど継続的に生活全般に影響を与えるわけではありません。
  3. 根本的な要因:

    • 産後うつ: ホルモンバランスの変化に加え、睡眠不足、育児ストレス、社会的孤立、性格的要因など、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。
    • PMS: 主に女性ホルモンの変動が直接的に脳内の神経伝達物質に影響を与えることで発症すると考えられています。もちろんストレスなどの影響も受けますが、その根底にはホルモン変動があります。

もしかして?と思ったら…セルフチェックと専門家への相談

「これって産後うつ?それともPMS?」と迷った時は、まずはご自身の状態を客観的に観察してみましょう。

セルフチェックのポイント

  • 症状はいつから始まりましたか? (出産後ですか?それとも月経が再開してからですか?)
  • 症状はいつまで続きますか? (常に気分が沈んでいますか?それとも生理前だけですか?)
  • 症状の重さはどのくらいですか? (日常生活や育児に支障が出ていますか?)
  • どのような症状が強く出ていますか? (気分の落ち込みが強いですか?それともイライラが強いですか?)
  • 赤ちゃんに対する気持ちはどうですか? (可愛いと思えない、育児が苦痛だと感じることがありますか?)

これらの問いに答えることで、ご自身の状態をある程度把握することができます。特に、**「出産後からずっと気分の落ち込みが続いている」「赤ちゃんへの愛情が感じられない」「自傷行為を考えてしまう」**といった症状がある場合は、産後うつの可能性が高いです。

専門家への相談の重要性

ご自身の状態がどちらに当てはまるか判断に迷う場合や、症状が重く、日常生活に支障が出ていると感じる場合は、一人で抱え込まずに必ず専門家に相談してください。

  • 産婦人科: ホルモンバランスや月経周期に関する相談、PMSの診断と治療について相談できます。
  • 心療内科・精神科: 産後うつやうつ病の診断と治療、心のケアについて専門的なサポートを受けられます。
  • 地域の保健センター: 保健師さんが育児相談や心身の健康相談に乗ってくれます。必要に応じて、適切な医療機関やサポート機関を紹介してもらうこともできます。
  • 助産師: 産後の心身のケアについて、幅広く相談できます。

早期に適切なサポートを受けることで、症状の改善につながり、ママと赤ちゃんの健やかな生活を取り戻すことができます。

ママが笑顔で過ごすために:今日からできるセルフケア

産後うつやPMSの症状に悩むママが、少しでも楽になるために、日常生活の中でできるセルフケアをご紹介します。

  1. 十分な休息と睡眠: 赤ちゃんとの生活では難しいかもしれませんが、可能であれば家族に協力してもらい、意識的に休憩を取り、短時間でも睡眠を確保するようにしましょう。
  2. 栄養バランスの取れた食事: 偏食せず、PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)を意識した食事を心がけましょう。特に、トリプトファン(セロトニンの材料となるアミノ酸)を多く含む食品(乳製品、大豆製品、ナッツなど)や、ビタミンB群、マグネシウムなどを積極的に摂ることをお勧めします。カフェインやアルコールの摂取は控えめにしましょう。
  3. 適度な運動: 散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは、心身のリフレッシュになります。日光を浴びることで、セロトニンの分泌が促される効果も期待できます。
  4. 信頼できる人に話す: 夫、家族、友人、地域のママ友など、信頼できる人に今の気持ちを話すだけでも、心が軽くなることがあります。
  5. 完璧を目指さない: 育児は完璧でなくても大丈夫です。家事や育児を完璧にこなそうとせず、時には手抜きをしたり、誰かに頼ったりすることも大切です。
  6. 自分だけの時間を作る: たとえ短時間でも、自分の好きなことをする時間を持つことで、気分転換になります。読書、音楽鑑賞、趣味の時間など、リラックスできる時間を作りましょう。
  7. 太陽の光を浴びる: 日光を浴びることで、セロトニンの分泌が促され、気分の安定につながると言われています。

これらのセルフケアは、あくまで症状を緩和するための一助です。症状が重いと感じる場合は、必ず専門家のサポートを求めることが重要です。

Q&A:産後うつとPMSに関する疑問にお答えします

Q1: 産後うつと産後ブルーは同じものですか? A1: いいえ、異なります。産後ブルー(マタニティブルーズ)は、出産後数日〜10日くらいに一時的に見られる気分の落ち込みや涙もろさ、不安感などの症状で、通常は2週間以内に自然に治まります。産後うつは、これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすほど重い状態を指します。産後ブルーは多くのママが経験する一時的なものですが、産後うつは専門的な治療が必要な病気です。

 

Q2: 産後うつは予防できますか? A2: 完全な予防は難しいですが、発症リスクを軽減することは可能です。十分な睡眠と休息、バランスの取れた食事、家族や周囲からのサポート、育児に関する情報の入手、完璧主義にならないことなどが挙げられます。また、妊娠中に精神的な不調を感じた場合は、早めに専門家へ相談することも大切です。

 

Q3: 授乳中でもPMSの薬は飲めますか? A3: 授乳中に服用できる薬とできない薬があります。市販薬を購入する際は、必ず薬剤師に授乳中であることを伝え、相談してください。病院で処方される場合も、医師に授乳中であることを必ず伝えましょう。漢方薬やサプリメントなど、薬以外の選択肢もありますので、医師や薬剤師とよく相談してご自身に合った方法を見つけることが大切です。

 

Q4: PMSは産後にひどくなることがありますか? A4: 個人差はありますが、産後にPMSの症状がひどくなるという声は少なくありません。出産によってホルモンバランスが大きく変化し、月経が再開する際に以前とは異なる症状が現れることがあります。また、育児による疲労やストレスも、PMSの症状を悪化させる要因となる可能性があります。

 

Q5: 夫や家族はどのようにサポートすれば良いですか? A5: まずはママの気持ちに耳を傾け、共感することが大切です。「大丈夫だよ」「頑張ってるね」と声をかけ、ママが一人ではないことを伝えてあげてください。具体的なサポートとしては、育児や家事を積極的に分担する、ママが休息できる時間を作る、外出に付き添う、話を聞いてあげるなどがあります。症状が重い場合は、専門家への受診を促し、付き添ってあげることも重要です。

まとめ:あなたは一人じゃない。あなたの笑顔が、家族の笑顔に繋がるから

産後のあなたは、新しい命を育むという大きな役割を担っています。しかし、その裏で心身ともに大きな変化と負担を抱えていることを忘れないでください。産後うつやPMSは、決してあなたの「心の弱さ」ではありません。ホルモンの影響や環境の変化、育児のプレッシャーなど、様々な要因が複雑に絡み合って起こる、誰にでも起こりうる症状なのです。

もし今、あなたが気分の落ち込みやイライラ、不安感に悩んでいるなら、「自分だけではない」ということを心に留めてください。そして、一人で抱え込まず、どうか周囲に助けを求めてください。夫や家族、友人、地域の保健師さん、そして専門の医療機関。あなたの周りには、あなたをサポートしたいと願う人たちがたくさんいます。

特に、産後うつは早期発見・早期治療が非常に重要です。もし「これは産後うつかもしれない」と少しでも感じたら、ためらわずに心療内科や精神科を受診してください。心の専門家は、あなたの症状に寄り添い、適切な治療法を一緒に考えてくれます。PMSに関しても、症状が日常生活に支障をきたすほどであれば、婦人科を受診することで、症状を和らげる方法が見つかるかもしれません。

産後うつにしろ、PMSにしろ、女性ホルモンや精神的なとてもセンシティブな問題です。そうなるとママさんは、ついつい自分を責めたり、他人に当たったりする自分に気が付き、さらに自己嫌悪などに陥り悪循環化するケースもあります。

妊娠中も産後も、誰もが無理をするなとは言いますが、結局は自分が自分を守ってあげなくてはなりません。当サイト35ラボでもママの体や心はしっかりと守るようにアドバイスしているのですが、それが自覚のないケースだとどうしようもありません。

子育ては大変ではあるけど、その時期が過ぎたら必ずいい思い出となります。その時に思い出すのが笑顔のあなたなのか、それともやつれてしまっているあなたなのか、これは大きな違いになります。

 

ぜひ子育ての忙しい毎日に笑顔で過ごせるあなたでいてもらいたいと思っています。

 

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