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【発熱・鼻水時の心得】赤ちゃんの風邪を早く治す「水分補給」が持つ決定的な役割

赤ちゃんが風邪をひいて熱を出すと、ママは看病で寝る間もなく、本当に心が休まりませんよね。食欲がない、熱でぐったりしている…そんな時、「どうにかしてこの子を楽にしてあげたい」と思うはずです。風邪の時、最も重要で、かつママの力でできる最大の看病の一つが「水分補給」です。熱で失われる水分を補い、体力を維持するためにも、水分補給は薬以上に大切な役割を果たします。

このセクションでは、発熱、嘔吐、鼻水といった風邪の症状別に、水分補給の具体的なテクニックと、看病疲れのママの不安を解消する寄り添い情報をお届けします。

鼻水や発熱状態の赤ちゃん


1. 風邪の時、脱水が「急加速」するメカニズム(学び)

 

風邪をひいた赤ちゃんは、通常の何倍も水分を失いやすい状態にあります。脱水が進むと、体温調節機能が低下し、熱が下がりにくくなるという悪循環に陥ります。

  • 発熱による発汗: 熱が上がると、体温を下げるために汗をかき、大量の水分とミネラルが失われます。
  • 鼻水・痰: 鼻水や咳、痰といった分泌物も、体内の水分を使って排出されます。
  • 食欲不振: 食欲がないため、普段は食事から摂取していた水分まで不足してしまいます。
  • 嘔吐・下痢: 胃腸炎を伴う風邪の場合、嘔吐や下痢によって体液が大量に体外に流れ出てしまい、脱水が急激に進行します。

風邪の時の水分補給は、**「失われた水分・電解質の補給」と「体力の維持」**という二重の役割を担っています。

2. 症状別!風邪を治す「水分補給」の具体策

どうしても発熱や鼻水が出ていると風邪薬や病院に行かなきゃと思う。一方で大事なのは体に不足している水分の補給です。

「何を飲ませるか」よりも、「どうやって、どのタイミングで、どれだけ飲ませるか」が風邪の時の水分補給では重要です。

2-1. 発熱・鼻水がメインの場合

  • 温かさ重視: 喉の炎症を和らげるため、人肌程度の温かい白湯や麦茶を優先しましょう。
  • 少量頻回が鉄則: 一度にたくさん飲ませると、弱った胃腸に負担がかかり、嘔吐を誘発することがあります。スプーンや小さなコップで、5〜10分ごとに数口(5~10ml)という「ちょこちょこ飲み」を心がけます。

2-2. 嘔吐・下痢を伴う場合(最も危険)

  • 嘔吐後のインターバル: 嘔吐した直後は、胃腸が過敏になっているため、30分〜1時間は何も飲ませず、胃を休ませます。
  • 経口補水液(ORS)の活用: 吐き気が治まったら、水やお茶ではなく、経口補水液(OS-1や市販の赤ちゃん用ORS)を少量ずつ開始します。経口補水液は、体液に近い浸透圧で、水分と電解質を最も効率よく吸収できます。
  • 与える温度: 冷たすぎると刺激になるため、常温が推奨されます。

3. 【ママの視点】看病を乗り切る「心と体の独自ケア」

 

看病で一番疲れているのはママ自身です。ママの心が元気でなければ、赤ちゃんも安心して水分を摂ってくれません。以下の工夫で、看病を少しでも楽にしましょう。

3-1. 「飲ませる」を「遊び」に変える工夫

ぐったりしている赤ちゃんに無理に飲ませるのはストレスです。看病の時間をコミュニケーションに変えてみましょう。

  • ごっこ遊び: 医師や看護師の「ごっこ遊び」に見立て、「お薬ですよ〜」とスプーンで一口ずつ経口補水液を与えてみる。
  • ストロー遊び: 普段使わない、カラフルなストローを用意し、「特別なストローだよ」と促してみる。

3-2. ママの「自分への水分補給」も忘れずに

赤ちゃんのお世話で夢中になり、自分の水分補給を忘れていませんか?風邪の菌はママにも感染しやすいです。看病中は、赤ちゃんと一緒に温かい飲み物を一口飲むことを習慣にしましょう。ママが体調を崩さないことが、赤ちゃんを治すための最大の薬です。

夜泣きなどであまり寝れていないという場合、自分の体の水分不足に気が付かないことも多いんです。寝起きに白湯を一杯飲む習慣はそういった気が付かない水分不足の対策としても有効。

 

4. 経口補水液(ORS)を使う上での注意点

経口補水液は脱水対策の切り札ですが、使用上の注意を必ず守ってください。

  • 過剰摂取は厳禁: ORSは水分と電解質が調整されているため、必要以上に飲ませる必要はありません。下痢や嘔吐が治まってきたら、白湯や麦茶に戻しましょう。
  • 自己判断での変更はNG: 医師から特定の指示(例えば「◯時間ごとに◯ml」など)を受けている場合は、自己判断で与える量や回数を変更しないでください。
風邪の時の緊急サイン チェックポイント
脱水 唇が乾燥、泣いても涙が出ない、大泉門の落ち込み。
嘔吐 飲ませた水分を全て吐き戻してしまう状態が続く。
意識 名前を呼んでも反応が鈍い、ぐったりして眠り続ける。
水分補給と解熱剤でも高熱が下がらず、呼吸が速い。

5. ママの疑問を解消!風邪の水分補給Q&A(疑問解消)

Q1: 発熱時、食欲がない場合は無理に食べさせなくても良いですか?
A1: はい、無理に食べさせる必要はありません。エネルギーは糖分から補給できるため、水分補給ができていれば、ひとまず安心です。食欲がない時は、温かいお粥の上澄みや、薄味のスープなど、水分が多く消化の良いものを試しましょう。大切なのは、「食べ物よりも水分」です。
Q2: 経口補水液を嫌がって飲みません。どうすれば良いですか?
A2: ORSは独特の味がするため、嫌がる赤ちゃんも多いです。その場合は、無理に飲ませず、医師に相談の上で、赤ちゃん用のイオン飲料や、普段飲んでいる麦茶を少しずつ与えることに切り替えましょう。また、凍らせてシャーベット状にしてスプーンで少しずつ与えると、飲んでくれることがあります。
Q3: 熱が下がったら水分補給は必要なくなりますか?
A3: いいえ、熱が下がっても、風邪の回復期はまだ胃腸が弱っていますし、体力の回復にも水分が必要です。熱が下がってもしばらくは、少量頻回の水分補給を続け、食欲が戻るまでは油断しないようにしましょう。
Q4: 薬を飲ませる時の水分補給はどうすれば良いですか?
A4: 薬によっては、水や麦茶で飲むことが推奨されます。ただし、薬を嫌がる場合は、少量の水で練って口の中に塗ったり、アイスやヨーグルトに混ぜたりする工夫もできます(かかりつけ医に確認してください)。薬と混ぜる飲み物は、多量すぎると薬の味が広がり、嫌がる原因になるため、ごく少量にしましょう。
Q5: 寒い日でも、風邪の時は体を冷やさないように温かい飲み物ばかりが良いですか?
A5: はい。体が冷えると免疫力も下がりやすいため、温かい飲み物が基本です。ただし、高熱で顔が真っ赤になっている場合は、常温の麦茶や経口補水液で喉を潤してあげても構いません。重要なのは、「喉越し」と「少量頻回」です。

6. まとめ:ママの愛情は「水滴」に宿ります

夜中の授乳、頻繁な体温チェック、そして水分補給…。風邪の看病は、ママの体力も気力も削り取ります。「自分が代わってあげたい」と心から願うママの気持ちは、痛いほど理解できます。でも、大丈夫。あなたが不安そうな顔をしていると、赤ちゃんも安心できません。赤ちゃんは、あなたから受け取る「小さな水滴」を通して、ママの揺るぎない愛情を感じ取っています。

しかし、もう心配はいりません。あなたは今、風邪の時に脱水が急加速するメカニズムと、「嘔吐後のインターバル」や「少量頻回」という具体的な看病テクニックを身につけました。不安は「冷静沈着な看護力」へと変わり、発熱時も焦らずに対処できる最高のママになりました。

さあ、行動しましょう。今日から、看病の必需品に「経口補水液」と「計量スプーン」をセットで置いてください。そして、赤ちゃんが一口飲めたら、「えらいね、これで一歩治ったよ」と必ず褒めてあげてください。ママの優しい声かけと、水滴一つ一つに込められた愛情が、赤ちゃんの治癒力を最大限に引き出します。早く良くなりますように、心から応援しています。