子供は泣くのが仕事です。
それはわかっていますが、自分が子供を育てるまでは外で泣く子供をうるさいと感じていましたし、なぜ泣き止ませることができないのかなぜ泣かせているのか、など親へのヘイトがありました。
実際に自分が親になってみると、子供は泣きやまないしこちらとしても必死に泣き止ませようとしているけど泣き止まないんだよ、と思ってしまうのです。
しかし独身時代の自分と同じように思う人がいるのもわかりますし、その気持ちは今でもわかりますし持っています。
特に電車の中で泣かれてしまうと他人に申し訳ないという気持ちになってしまいます。
なるべく車椅子など身体障害者側の車両に乗るようにし他人に迷惑をかけないように、と思っているのですが子供の泣き声は結構響いてしまいます。
長いこと子供が泣いていると、周りの人のイライラしている気持ちも伝わってきますし、降りてしまおうかと思ってしまうときがあります。
子供を縦や横にあやしていてそれでも泣き止まない、こちらも疲れてきて子供をあやすテンションが低くなってしまったときの出来事です。
子供と接しているときはなるべく声をワンターブ上げているのですが、徐々に自分の声がさがってきました。
そして電車の角に子供の頭を軽くぶつけてしまったのです。
その瞬間、素の声で「あ、ごめん」と言ってしまいました。
周りの人のイライラしている空気が一瞬なぜか緩んだのです。
どうしてだろう、と考えました。
そしてわかったのは、子供の泣き声もそうだけど、私のあやしている声のターブも若干高かったのです。
それも周りの人をイライラさせてしまう原因だったようなのです。
ですから、急に私の声が低くなり子供に向けての謝罪ではない口調になったのに皆驚いたというか和んでしまったようなのです。
確かに私も独身時代、子供の声にイライラするのもありましたが、親の若干高い声にイライラしていたことを思い出したのです。
そうか、これも原因のひとつなのかと思いました。
子供に対するテンションではなかったことが周りを和ませたのです。
それを参考にして、回りに人がいるときはなるべく私だけでも声のターブを落として子供と接するようになりました。
そうすると、自然と周りの人のことが気にならなくなりましたし、周りの人も気のせいか以前よりイライラしていないような気がしてくるようになったのです。
今まで周りを気遣っている、と見せかけていて実は自分の子供にだけ気遣っていたことに気づかされた瞬間でした。