産後は育児や家事など、妊娠する前から環境も自分の状態も異なるためストレスを抱えやすく、その影響から食欲が暴走して体重が増加したとか、産後のダイエットがうまくいかなかったといったケースが多くあります。
今回はそんな産後のストレスで食欲が止まらないという方に向けて記事を作っていこうと思います。
産後の食欲のコントロールができないは原因がわかれば解消できる?
- 産後に食べてもすぐお腹が減ってしまう。
- 食欲が止まらない。
- 気が付くとおやつを手にしている。
こういったママさん、すごく多いんですよね。
妊娠前から産後になったら産後ダイエットをうまくやって、子供を出産したと思えないようなプロポーションに戻してやると心の中で思っていたけど、現実は・・・。
産後の食欲が止まらない問題は、自分に対して自己嫌悪に陥りやすいし、ストレスを抱えやすい時期においてより太ってしまう、ダイエットの失敗につながってしまうという悪循環につながってしまいます。
なぜ産後は食欲が止まらなくなるの?
産後に食欲に関して悩んでしまう方は多く、その理由を知るとこの時期に悩む方が多いというのも納得すると思います。
産後に食欲が止まらなくなる理由としては
- 睡眠不足
- 母乳
- ホルモンバランスの乱れ
- 子育てのストレス
- 旦那さんに対するストレス
こういったものが関係していくんです。
睡眠不足が産後の過食につながる?
スタンフォード大学の研究で睡眠不足は食欲をなんと通常時よりも25%くらい増進させるという驚きの発表を行っています。
育児や家事、様々なストレス環境で寝不足の状態にあると脳の中で食べたいという欲求が自分の意志とは別に勝手に出てきてしまうということなんです。
母乳
授乳という行為は思っている以上にエネルギーを使います。
一般的に言われているのは、ママが授乳期において1日当たり平均的に780mlもの母乳を体内で作り出しているんです。これにより消費するエネルギーというのは約500kcal。
授乳期で痩せる方は、何もしなくても授乳で1日当たり500kcalが消費される計算になるため痩せていくのですが、それだけのエネルギーが消費されるということは、そのぶんだけエネルギーを摂取したくなるということでもあるんです。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠することで女性の場合は今までのホルモンバランスから、出産に向けての体にするためホルモンのバランスが変化していきます。
エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが特に変化していくのですが、そのうちプロゲステロンという女性ホルモンは多く分泌されると食欲が増進して体の中に栄養を蓄えようとする働きをします。
出産が終わり、徐々に妊娠前の状態にホルモンバランスも戻っていくといわれているのですが、元に戻る前のホルモンバランスの乱れで食欲のコントロールに苦しんでしまうママさんも多いんですね。
同時に出産が終わると生理が再開していきます。
この生理再開に関してもホルモンバランスはかかわっていきます。
特に生理前の1週間程度はホルモンバランスが乱れやすく、プロゲステロンの分泌が急増し、食欲のコントロールが難しくなります。
これらホルモンバランスの乱れというのは、精神的なストレスにつながるだけではなく、疲れやすくなる、イライラを感じやすい、肌荒れ、乳房が痛く感じる、むくみ、頭痛や腹痛などといった体調面の問題も起きやすいんです。
子育てのストレス
子育ては想像する以上に難しく、ストレスを抱えることも少なくありません。子育てのストレスによって睡眠不足や肌荒れといった多くの悪影響を引き起こしやすい時期でもあります。
このようなストレスは脳内物質であるドーパミンの分泌を促してしまい、ドーパミンが食欲アップの働きを持っているため、ストレスと食欲の関係が相互にかかわっていきます。
同時にレプチンという脳内物質は普段は満腹中枢を刺激する働きを行い、食欲を抑えることになるのですが、ストレスを感じるとレプチンの働きが鈍化するため、ドーパミンのほうの働きが有利になってしまうことも、食欲の増進につながっています。
旦那さんに対するストレス
子育ては孤独を感じやすく、想像以上のエネルギーを消費してしまうのですが、身近にいる旦那さんに対して、子育ての大変さが理解されていないと感じるとストレスに感じたり、イライラにつながることがよくあります。
わかっていても、うまくフォローしてもらえなかったりすることで、情緒不安定にもなりやすい時期でもあるため、旦那さんはうまくフォローして、積極的に子育てに参加してもらいたいものです。
過食症と産後の異常な食欲の違いってなに?
ここまで産後になって様々な影響により食欲が止まらないことを見ていきました。
そんな中でも自分は過食症ではないのかと疑ってしまうママさんもおられるんですね。
自分では食欲がコントロールできずに病気ではないかと疑い、よりストレスを感じることでより食欲のコントロールが難しい状態へ。
これは不安になると病気ではないのかと思って、病院に行き薬などを出してもらえばきっと治るだろうとか、お医者さんに診てもらえばこの状況は改善するだろうという期待からもでています。
そこで過食症というものを少し見ていきます。
過食症というのは「食べ物をたくさん食べ、その後嘔吐や下痢を繰り返してしまう」病気を言います。
似ているものとして、摂食障害があり、摂食障害は過食症と拒食症の両方を指します。
軽く説明したのですが、ここで見ておきたいのは、過食症は嘔吐や下痢を伴い、その状態を繰り返すということです。
食欲のコントロールができないからといって過食症じゃないだろうかと思った際に、病気と食欲の問題というのはこのあたりの判断になるため、周囲に悩んでいる方がいる際は進んで声をかけてあげてください。
産後の止まらない食欲はいつまで続くの?
産後の止まらない食欲の原因を見ていくと、ストレスなどは自分で解消できそうなものにかんじるのですが、ホルモンバランスなど自分ではどうしようもないものまで含まれています。
自分で解消できそうなストレスに関しても、育児や夫婦間の問題などすぐには解消できなさそうなものまであるし、家族によってストレスの大小から、原因なども異なって当然です。
そこで産後の女性の体の面から考える、産後の食欲の増進はいつまで続くのかという面で説明していきます。
個人差はあるものの産後の異常な食欲がどのくらいの時期で収まったのかを先輩ママさん200名にアンケートを行ってみました。
グラフで見てもらえるように、中には1年以上もの期間が必要だったというママさんもおられますよね。
それだけ自分でコントロールするのは難しいと感じる方も多いということでしょう。
産後に食欲が暴走したときにできる対策
食欲はコントロールが難しいといいましたが、ある程度は食欲はコントロールができます。
ここでその産後にできる食欲をコントロールする方法を紹介していきます。
- 食事の際は野菜や果物から食べ始める
- 白いものを茶色い物へ変えてみよう
- 甘いものを適度に摂取しよう
食事の際は野菜や果物から食べ始める
これは多くの方が知っていると思います。食べ順ダイエットでもよく言われることでしょう。
どういったことかと軽く説明すると、野菜や果物といったものから食べることで、野菜や果物に含まれている食物繊維が血糖値の上昇を穏やかにするという働きをしてくれます。
これにより脂肪が増えにくいだけではなく、満腹感を感じやすい状態になるため食欲の暴走を抑制できる働きがあるんです。
白いものを茶色い物へ変えてみよう
ここだけ聞くとどういうことと疑問に感じる方もおられるかもしれませんが、食パンなどを玄米パン、白いご飯を玄米や五穀米といったように、白いものには炭水化物が多く含まれていて、切り替え食としてもダイエット方法で有名な方法です。
甘いものを適度に摂取しよう
産後は甘いものをついつい食べすぎて太ってしまうという方もおられるのですが、おやつなどの甘いものを我慢しすぎてストレスになるという方も一方でいるんです。
当たり前に甘いものが欲しくなったから食欲に任せて食べまくるとどうしようもありません。
そこで甘いものが欲しくなったらカカオ成分の多いチョコレートやサツマイモスイーツ(焼き芋などもいいですね)といったものならば、ある程度摂取しても大丈夫です。
詳しくは以下のページで開設しておきますね。
産後の食欲がコントロールできない場合どうしたらいいの?
最後にコントロールしようと思ったけれど、どうしようもない場合はあきらめないといけないのでしょうか。
そんな際でもできることがあるんです。
それはなるべく食物繊維を摂取することです。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があって、普段の食生活の中で不足しやすい栄養素の一つなのですが、食物繊維を摂取すると酢酸塩というものが作られて、脳内で食欲を抑制させる働きがあることをご存じでしょうか。
そのため1日あたり、25~29グラムの食物繊維を摂取するといいといわれています。
これにはとても興味深い研究結果があり、米国内科学会の実験で2つのグループに分かれて食物繊維の摂取がダイエットに与える影響を調べたものがあります。
片方のグループにはアメリカ心臓協会が唱えているダイエット方法を行い、もう一つのグループは食物繊維の量を増やすだけに別れさせ実験。
このアメリカ心臓協会の唱えたダイエット方法というのは野菜等を多く摂取して、お酒は控える、炭水化物は全体の食事の中で50%にして、500~1000kcal減らすというものでした。
結果は、なんとダイエット方法を実践したほうが平均してマイナス2,7kg、食物繊維の量を増やすことをしたほうが平均マイナス2,1kgといったものになりました。
この研究では肥満の男女240名に対して行われ、かなり細かいダイエット方法に対して食物繊維の摂取を増やすという単純な方法がそれなりに効果を発揮したという驚きの結果があるんですね。
ダイエットには運動や食事制限が必要なのは誰もが知っているものの、食物繊維がここまで大きくかかわってくるというのは、とても興味深いものがあります。
それだけ普段の食生活で食物繊維が不足していることでもあり、食欲のコントロールができることでも重要なキーポイントになることがわかると思います。
まとめ
産後は食欲のコントロールが難しく、その原因をしっかりと把握してストレスを抱えることなく向き合うことで、子供に対する愛情もしっかりと注ぐことにもつながります。
止まらない食欲が自分でもうまく消化できず、周囲にまで影響を与えるようなことがあってはうまくいきません。
自分のことだからこそ、きついときは周囲に頼ったり、旦那さんに協力を仰いでいくことも必要になるため、無理せずできることから始めていきましょう。