今回の体験談は産後に母乳育児を行っているママにとって絶対になりたくない病気のひとつである『乳腺炎(にゅうせんえん)』のお話です。
乳腺炎は本当に痛みが強く、あまりの痛さに泣いてしまう方もたくさんいるという話は良く聞きますよね。そんな乳腺炎を改善するためにも母乳マッサージが行われるのですが、マッサージだけで乳腺炎が改善されるわけではないという意見もあります。
今回はその乳腺炎を改善するためにどういったことが必要なのかを体験談の中から読み解いていきたいと思います。
あまりの痛さに泣きが入った乳腺炎!経験で学んだ母乳の知識
それは、初産で長女を出産し退院した翌々日(産後7日目)に起きたとても痛ーい出来事でした。
初めての育児、出産前から完全母乳で頑張る!!と張り切っていました。
そこで私は「母乳育児を成功させるには授乳前の母乳マッサージが大切」と市の母親学級でも学んだ事もあり、産後2日目から助産師さんによる授乳指導が始まりると授乳時間毎に丁寧に乳房のマッサージを繰り返していました。
最初はあまり実感がなかったのですが、産後3日目くらいからおっぱいが張っているという感覚がわかるようになりました。
自分の頑張りがちゃんと結果につながってる~♪と思うと、新米ママとしては嬉しい感覚でした。
しかし、たくさん作られる母乳に対し、娘は余り量を飲んでくれません。
ちょこっと飲むとスヤスヤと眠ってしまい。
時間をあけてまたちょこっと飲むとまたスヤスヤ眠るの繰り返しです。
次第に、飲まれない母乳が溜まっていき、乳首の先にチクッとした痛みを感じるようになりました。
赤ちゃんが飲む量よりも母乳が作られる量が過剰になるという事が乳腺を詰まらせる原因の一つでありますが、それ以外に食べる物にも原因があったようです。
実は、産婦人科医院退院の日に病院からのプレゼントでバースデイケーキ(0歳おめでとう!)を頂きました。
生クリームたっぷりのイチゴのショートケーキです。
(しかもホールケーキですよ!)当時我が家の家族は主人と私と生まれたばかりの長女の3人だけでしたので、当然、私と主人で半分づつ食べることになりました。
この、生クリームが乳腺を詰まらせる原因になろうとはこれっぽっちも思わずに。
。。
その翌朝、昨日かすかにチクっとした痛みを感じていた乳首は激痛に変わり、乳房はパンパンに張って熱を持っていました。
とんでもなくおっぱいは痛いけれど、赤ちゃんには乳首を吸わせなければならない。
。。
藁にもすがる思いで、出産した産婦人科に電話で問い合わせたました。
電話に出た看護婦さんから「乳腺炎ですね。
助産師が処置をしますので赤ちゃんと一緒に病院に来れますか?」と聞かれ、直ぐにタクシーで病院へ向かいました。
あまりの痛さに電車とバスを乗り継いで病院へ行く余裕が無かったので。
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病院に到着すると、ベットに仰向けに寝かされ、担当の助産師さんが脇の下から乳房の中心に向かってギューッと絞るようにマッサージを始めました。
思わず「痛たたたたたたっ!痛いっ!!」と叫び声を上げるほど、それはそれは痛いマッサージでした。
マッサージを始めてしばらくすると乳首の先から黄色く粘り気のある母乳が滲み出してきました。
「これが、乳腺を詰まらせていたのよ。
」と助産師さん。
しばらくマッサージを続けると、白く透き通ったサラサラした母乳に変わりました。
助産師さん曰く「母乳は赤ちゃんの栄養だから、その元になる食べるものには気を配らないとね。和食を中心としたあっさりとした食事を心がけること。それと、お餅や乳製品、油分の多い食事は乳腺を詰まらせるもとになるので避けると良いわね・・」との事。
また、痛みから自己流で乳房を触ってしまうのも乳腺を余計詰らせてしまう原因になるのでしないようにとのことでした。
ひととおり、マッサージが終わると、あの激痛が嘘のようにひいていました。
その後、助産師さんが横向きに寝ている私の腹の前に長女をそっと置きました。
長女の顔を私の乳首に近づけると、長女が自分から乳首を見つけて吸い始めました。
そして、助産師さんが一言。
「ほら、赤ちゃんはお母さんのおっぱいをどうやって飲めばよいかちゃんと分かっているのよ。それに、このくらい動かしても赤ちゃんは大丈夫。
いつも壊れ物を扱うようにしていたらお母さんの気持ちも持たないし、授乳の度に授乳枕をセットして・・・なんてやってたら肩もこって疲れてしまうでしょ。
先の長い育児、もっと楽にいかなきゃね!」
この一言で、マニュアルどおりの授乳にこだわっていた自分が解放され、とても楽になれたのを思い出します。
また、この時初めて教えていただいた授乳態勢『添い乳』は子供の寝かしつけにも大いに役立ち、二人目、三人目の育児にもとても役に立ちました。
ベテランママには当たり前のことばかりですが、初めての出産&育児のママにとっては知らないことばかりですね。
また、この「おっぱいケア」については後日談があります。
長女の時に乳腺炎でとても辛い思いをしたため、第2子出産時には出産前におっぱいケアが出来る場所をリサーチしておきました。
出産予定の産婦人科医院内にも「おっぱい外来」なるものがありました。
その産院で出産した母に対してのみケアしてもらえる仕組みになっていたのですが、診療日が週2日くらいで予約制になっているとのこと。
また、産後間もない時期に赤ちゃんを連れてタクシーで通院するのは大変だなと思ったので、地元の最寄り駅付近でおっぱいケアが出来る場所を調べました。
そして、ママ友から教えてもらったのが「桶谷式母乳相談所」でした。
第2子の時、またも乳腺を詰らせてお世話になりましたが、こちらの母乳マッサージは痛くないのです!!
長女の時はあんなに痛かったマッサージが全然痛くないのです。
こちらの相談所には産院を退院後にその足で母乳トラブルを予防する為にと赤ちゃんとママ、そしてママのお母さまの3人でいらっしゃってる方もいました。
もし、痛みに弱いママさんは桶谷式の母乳相談所がご自宅の近くに探してみると良いかもしれません。
また、助産院さんが個人的におっぱいケアをして下さる施設もあるようなので、出産前にママ友や地域の保健センターなどで情報収集されると良いかもしれません。
母乳育児やおっぱいのトラブルで悩んでいるママさん、少しでも肩の力が抜けて楽しい育児になりますように願っています。
母乳育児と乳腺炎の関係|体験談から見えたことのまとめ
母乳育児は赤ちゃんとママのコミュニケーションのためにも大切です。
また、母乳には生まれて間もない赤ちゃんの身体を外界の雑菌などから守るための免疫力を赤ちゃんに身に着けさせるためのラウリン酸やタンパク質、カルシウムなどの栄養がたっぷり入っています。
さらに言えば、ママと赤ちゃんのコミュニケーションがうまく行くことで夜泣きや疳の虫(かんのむし)が騒いで、ママやパパが育児ノイローゼになってしまう危険性も回避できる力もあるという意見もたくさんあります。
しかしながら、あまりに母乳育児を貫徹しようとこだわってしまったり、さらに授乳時の姿勢ひとつとってもこだわりが強くなって神経質になり過ぎてしまうのはママにとっても赤ちゃんにとっても良くないことというのが体験談からも分かりました。
そして母乳育児を行っていく上でもっとも避けたい乳腺炎を予防するために大切なことのヒントも隠されていましたが、それをまとめると次のようになるかと思います。
- 食事は脂っこいものと糖質を控える
- 自己流マッサージは逆に乳腺炎の悪化の原因にも
- 忙しい育児中でも母乳マッサージを受けれる良い病院などの確保
このような上記のポイントが大切になるというのが体験談を読むことで見えたポイントではないかと思います。
また『母乳育児中の食事の質が乳腺炎の最大の原因』ということは世界保健機構(WHO)でも統一見解として示されていますが、やはり糖質や脂質の高すぎる食事やその頻度を抑えるということは大切になってくるのですが、それだけではなく水分補給や鉄分やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル摂取もバランス良く行うことで『そもそもママの血液を原料として造られる母乳の質を良く保つことが大切』というのが大切になってくるんですね。
産後の食事の質や量は、母乳の質はもちろん産後の体型戻しダイエットにも関係してくる要素ですので、この点についてはあまり神経質になり過ぎない程度に意識して行くことが重要なんですね。