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【産後ママ必見】熱中症を繰り返していませんか?体と心を癒やす夏の過ごし方

新しい命を腕に抱き、喜びと感動に包まれる毎日。でも、産後のママの体は、出産という大仕事を終えたばかりで、想像以上にデリケートな状態です。慣れない育児、睡眠不足、そして夏の厳しい暑さが重なると、「なんだか体調が優れない…」「また熱中症になりそう…」と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一度熱中症にかかると、体温調節機能が一時的に低下し、その後も熱中症を繰り返しやすい状態になることがあります。特に、産後のママは免疫力や体力が低下しやすく、この「熱中症スパイラル」に陥りやすい傾向があります。

このページでは、産後のママがなぜ熱中症を繰り返しやすいのか、その体の変化とメカニズムを詳しく解説し、忙しい育児の中でも無理なく実践できる熱中症の予防策、そして万が一の対処法、何よりも大切なママの心のケアについて、産後のママのリアルな状況に寄り添いながら、深く掘り下げてお伝えします。

熱中症になる女性

なぜ産後ママは熱中症を繰り返しやすいの?体と心に起こる変化

出産後のママの体は、まさに「大仕事」を終えたばかり。その回復期に夏の暑さが加わることで、熱中症を繰り返しやすい特殊な状況が生まれます。

1.体力の消耗と免疫力の低下

  • 出産による疲労:出産は想像以上に体力を消耗します。産後の回復には時間がかかり、体が完全に元に戻るまでには数ヶ月、あるいはそれ以上かかると言われています。
  • 睡眠不足と疲労の蓄積:新生児期の育児は、授乳や夜泣きなどで睡眠時間が細切れになりがちです。慢性的な睡眠不足は、体の抵抗力や免疫力を著しく低下させ、体温調節機能にも悪影響を及ぼします。
  • 貧血:出産時の出血や産後の生理などにより、貧血になりやすいママも多くいます。貧血は全身の血流を悪くし、体温調節機能を低下させる要因となります。

2.ホルモンバランスの急激な変化

  • 産褥期のホルモン変動:出産後、妊娠中に高かった女性ホルモンが急激に低下します。この急激な変化は、自律神経のバランスを大きく乱し、体温調節機能にも影響を与えることがあります。
  • 自律神経の乱れ:自律神経は、発汗や血管の収縮・拡張などをコントロールし、体温調節に重要な役割を果たします。ホルモンバランスの乱れや睡眠不足、ストレスなどにより自律神経が乱れると、効率的な体温調節が難しくなります。

3.脱水になりやすい:授乳中のママは特に注意

  • 授乳による水分消耗:母乳の約88%は水分でできています。特に完全母乳のママは、1日に700ml〜1Lもの水分を母乳として体外に排出していることになります。意識的に水分を摂らないと、すぐに脱水状態になってしまいます。
  • 食事の偏りや食欲不振:育児の忙しさから、自分の食事が後回しになったり、簡単に済ませてしまったりすることで、必要な栄養素や水分が十分に摂れていない場合があります。夏バテで食欲がない場合も要注意です。

 

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4.育児環境と行動の制限

  • 赤ちゃん優先の行動:赤ちゃんのためにエアコンを控える、外に出かけられない、日中の暑い時間帯でも散歩が必要など、ママ自身の体調よりも赤ちゃんを優先しがちです。
  • 抱っこによる体温上昇:赤ちゃんを抱っこすることで、ママと赤ちゃんの体温が密着し、両者の体温が上昇しやすくなります。特に夏場は、抱っこ紐の使用時などにも注意が必要です。

5.「一度熱中症にかかると繰り返しやすい」メカニズム

妊娠中と同様に、一度熱中症にかかることで体温調節機能が低下したり、体力が消耗したりする状態が続くため、産後ママも熱中症を繰り返しやすい状態に陥ってしまいます。

  • 体温調節機能の回復遅延:疲労や睡眠不足が重なることで、体温調節機能の回復が遅れることがあります。
  • 暑熱順化の阻害:一度熱中症にかかったことで、体が暑さに慣れる「暑熱順化」がうまく進まず、少しの暑さでも体調を崩しやすくなります。
  • 脱水症状の継続:授乳などによる水分喪失が続くことで、完全な脱水回復が難しく、隠れた脱水状態が継続しやすいです。

これらの要因が複合的に作用し、産後のママは熱中症を繰り返しやすい状況に陥ってしまうのです。

産後の熱中症スパイラルを断ち切る!忙しいママのための予防術

水分補給

熱中症を繰り返さないためには、産後のママの状況に合わせた、無理のない予防策を生活に取り入れることが重要です。

1.「ながら水分補給」で賢く乗り切る

  • 授乳中やオムツ替えのついでに:赤ちゃんの世話をする「ついで」に水分補給を習慣化しましょう。枕元やベビーベッドの近くに、水筒やペットボトルを常備しておくと便利です。
  • 食事は汁物から:食事の最初に温かい汁物を飲むことで、水分と栄養を同時に摂ることができます。
  • ノンカフェイン飲料を常備:水、麦茶、ルイボスティーなど、カフェインを含まない飲み物を常に手の届く場所に置いておきましょう。
  • フルーツやゼリーも活用:食欲がない時でも、水分と栄養が摂れるフルーツやゼリーは、手軽な水分補給源になります。

2.空調は「ためらわない」:家族の協力も得て

  • エアコンは積極的に活用:電気代を気にして体調を崩すのは本末転倒です。室温が28℃、湿度が50〜60%を目安に設定し、快適な環境を保ちましょう。
  • タイマー機能と併用:寝室だけでなく、リビングなど日中過ごす場所でもタイマーを活用し、消し忘れや冷えすぎを防ぎましょう。
  • 家族への説明と協力:「ママと赤ちゃんのために、エアコンはとても大切なの」と家族に伝え、設定温度や電気代について理解と協力を求めましょう。

3.外出は「短時間・涼しい時間」に限定

  • 散歩は早朝か夕方以降に:日中の最も暑い時間帯(10時〜14時頃)は、赤ちゃんにとってもママにとっても負担が大きいです。できるだけ避けて、涼しい時間帯を選びましょう。
  • 帽子・日傘・ベビーカーの日よけを徹底:直射日光を避け、赤ちゃんにも帽子や日よけカバーで対策を。
  • 冷却グッズと水分を携帯:ママと赤ちゃん両方の冷却グッズ(保冷剤、冷却シートなど)と、十分な水分を持ち歩きましょう。
  • 商業施設などを活用:外出先で涼しい場所を把握しておき、必要に応じて休憩を取り入れましょう。

4.食事は「無理なく栄養補給」:作り置きや宅配も活用

  • ワンプレートメニューで時短:栄養バランスを考えたワンプレートご飯は、調理も洗い物も減らせておすすめです。
  • 作り置き・下味冷凍をフル活用:週末にまとめて食材を切る、下味をつけた肉や魚を冷凍するなど、平日の調理負担を減らしましょう。
  • 宅配サービスやレトルト食品を上手に利用:忙しい時は、安全性の高いミールキット、冷凍宅配弁当、レトルト食品などを積極的に取り入れ、ママの負担を減らしましょう。
  • 家族で食事をシェア:大人と同じメニューから離乳食にできるものを選び、ママの調理負担を減らす工夫も。

5.「休息」を最優先:ママが笑顔でいるために

  • 赤ちゃんが寝たらママも寝る:家事は完璧にできなくても大丈夫です。赤ちゃんが寝ている間に、ママも体を休めることを最優先にしましょう。
  • 「パパタイム」を作る:パパに赤ちゃんを見てもらう時間を作り、ママは一人でゆっくり過ごしたり、お風呂に入ったりするなど、リフレッシュする時間を作りましょう。
  • 頼れる人に頼る勇気:実家、義実家、友人、地域の支援サービスなど、遠慮せずに助けを求めましょう。ママの負担を減らすことが、家族みんなの笑顔につながります。

もし「熱中症かも?」と感じたら:躊躇しない行動と受診の目安

「熱中症を繰り返しているかも」「いつもより体調がおかしい」と感じたら、すぐに以下の行動をとりましょう。産後のママは、育児を中断しにくいかもしれませんが、ママの体が一番大切です。

  1. 涼しい場所へ移動:エアコンの効いた部屋、木陰など、涼しい場所へ移動します。赤ちゃんも一緒に移動させましょう。
  2. 体を冷やす:衣服を緩め、首の付け根、脇の下、足の付け根など太い血管が通っている場所を、濡らしたタオルや保冷剤で冷やします。赤ちゃんも薄着にして体を冷やしましょう。
  3. 水分・塩分を補給:意識がはっきりしている場合は、スポーツドリンクや経口補水液を少しずつこまめに飲みましょう。赤ちゃんには授乳を継続し、必要であればミルクや白湯も与えましょう。
  4. 速やかに医療機関へ連絡:意識が朦朧としている、呼びかけに反応しない、自力で水分が摂れない、痙攣がある、体温が非常に高い(38.5℃以上など)、吐き気がひどく水分が摂れないなどの症状がある場合は、迷わず救急車を呼び、かかりつけの内科医や助産師にも連絡しましょう。授乳中であることを必ず伝えてください。

ママが元気でなければ、赤ちゃんのお世話も難しくなります。無理せず、早めに専門家の助けを借りましょう。

Q&A:産後ママの夏の熱中症対策に関するよくある疑問

Q1:授乳中に熱中症になった場合、母乳は赤ちゃんに与えても大丈夫ですか?

A1:ママが熱中症で高熱を出したり、重度の脱水症状を起こしている場合、母乳の分泌量が減少したり、ママの体調が急激に悪化して授乳が困難になることがあります。多くの一般的な熱中症の場合、母乳を介して赤ちゃんに直接病原菌が感染することは稀ですが、ママの体調が悪いと授乳の質が低下する可能性もあります。

  • まずはママ自身の体を冷やし、水分と塩分を補給し、安静にしましょう。
  • 発熱や嘔吐など、症状が重い場合は、必ずかかりつけ医や助産師に相談し、授乳を継続するか、一時的にミルクに切り替えるかなどの指示を仰いでください。

ママの健康が第一であり、ママが元気でいることが、赤ちゃんに最善のケアを提供するために不可欠です。

Q2:赤ちゃんを抱っこしていると、ママも赤ちゃんも暑くなってしまいます。どうすれば良いですか?

A2:赤ちゃんを抱っこすることで体温が伝わり、暑くなるのは自然なことです。

  • 通気性の良い抱っこ紐を選ぶ:メッシュ素材など、通気性の良い抱っこ紐を選びましょう。
  • ママも赤ちゃんも薄着に:吸湿性・速乾性の高い素材の服を選び、重ね着は避けます。
  • 冷却グッズの活用:抱っこ紐の中に保冷剤を入れるポケット付きのシートを活用したり、冷却ジェルシートをママと赤ちゃんの背中や首元に貼ったりしましょう(直接肌に当てないように注意)。
  • こまめに休憩し、水分補給をする:抱っこしている間も、日陰で休んだり、水分を摂ったりする時間を意識的に作りましょう。

抱っこ紐の種類や赤ちゃんの月齢によっても対策は変わりますので、状況に合わせて工夫してください。

Q3:産後で食欲がありません。熱中症予防のために何を食べるべきですか?

A3:食欲がない時は、無理にたくさん食べる必要はありません。消化に良く、水分と栄養を同時に摂れるものを意識しましょう。

  • 冷やしすぎないスープや味噌汁:水分と塩分、野菜の栄養を補給できます。
  • おかゆや雑炊:胃腸に優しく、消化が良いです。
  • フルーツやゼリー:手軽に水分とビタミン、糖質を補給できます。
  • そうめんやうどん:あっさり食べられ、調理も簡単です。具材は加熱済みの鶏むね肉や野菜などを添えましょう。
  • 市販の栄養補助食品やプロテイン:どうしても食欲がない時は、手軽に栄養補給できるものを活用するのも一案です。

「食べられるものを、食べられる時に、無理なく」を心がけてください。

Q4:産後のママは、授乳が終わると体が冷えやすいと聞きました。熱中症対策と冷え対策の両立はどうすれば?

A4:産後、特に授乳中は体が冷えやすいと感じるママもいます。熱中症対策で体を冷やしすぎないよう、以下の点に注意しましょう。

  • エアコンの風が直接当たらないようにする:扇風機やサーキュレーターで冷気を循環させ、風が直接体に当たらないように工夫しましょう。
  • 羽織ものを用意する:薄手のカーディガンやブランケットなどを常備し、冷えると感じたらすぐに羽織りましょう。
  • 足元を冷やさない:靴下やレッグウォーマーを履くなどして、足元を温めると良いでしょう。
  • 温かい飲み物も取り入れる:冷たい飲み物ばかりでなく、温かいお茶やスープもバランスよく摂りましょう。
  • 入浴で体を温める:シャワーだけでなく、ゆっくり湯船に浸かることで、全身の血行を促進し、冷えを和らげることができます(ただし、産後すぐは医師の許可が必要です)。

ご自身の体が心地よいと感じる温度を模索し、メリハリのある対策を心がけましょう。

Q5:夫や実家の両親に、産後の熱中症対策の大切さを理解してもらうには?

A5:産後ママの熱中症リスクは、周りの理解と協力が不可欠です。

  • ママの体の状態を具体的に説明する:「出産で体力が落ちているから、暑さに弱くなっているみたい」「授乳で水分がどんどん出ていくから、いつも喉が渇いている」など、体で起きていることを具体的に伝えましょう。
  • 「自分だけの問題ではない」と伝える:ママが倒れたら、赤ちゃんのお世話ができなくなること、家族全体に影響が出ることなど、「家族みんなの健康に関わる問題」であることを伝えましょう。
  • 具体的な協力を依頼する:「夜中の授乳を一度だけ代わってほしい」「食事の準備を手伝ってほしい」「買い物をお願いしたい」など、具体的なお願いを伝えましょう。
  • 感謝の気持ちを伝える:協力してくれたことに対して、感謝の気持ちをしっかりと伝え、家族の協力を継続してもらいましょう。

家族みんなで乗り切る意識を持つことが大切です。

まとめ:ママの休息は、家族の笑顔に直結!

産後の夏は、ママにとって、体力的にも精神的にも大きな負担がかかる時期です。熱中症を繰り返してしまうのではないかという不安は、日々の育児に追われる中で、さらにママの心を締め付けてしまうかもしれません。

でも、安心してください。あなたの体は、赤ちゃんのために本当によく頑張っています。そして、熱中症を繰り返してしまうのは、あなたが「もっと休んでほしい」「もっと自分を大切にしてほしい」という体からの大切なメッセージなのです。

「完璧なママ」を目指す必要は、決してありません。あなたが笑顔でいることが、赤ちゃんにとって、そして家族みんなにとって、何よりの幸せです。

「大丈夫、休んでいいんだよ」と、ご自身の心に優しく語りかけてあげてください。そして、パパやご家族、地域のサポートなど、頼れるものには遠慮なく頼りましょう。あなたは一人ではありません。

今年の夏も、ママと赤ちゃんが健やかに、そして家族みんなが笑顔で過ごせるよう、心から応援しています。あなたは、本当に素晴らしいママです。どうぞご自身の体を労わり、自信を持って、あなたらしい子育てを楽しんでくださいね。